標準化のメリット・デメリット

実は、デメリットが生じるのは標準化のせいではありません。

運用側の姿勢に問題があるのです。

具体的にいうと、標準化の目的自体に間違いがあるか、担当者がその目的を共有できていないからです。「誰でもできるように」はやる気を失わせる魔法の言葉。詳しくは”標準化の目的”をご覧下さい。

また思考停止に陥るもう一つの原因として、修正することを前提に標準化を実施していないことが挙げられます。

たとえば、パソコンの操作マニュアルを作るとしたら、作る時にあらかじめ修正するタイミングを決めておかなければいけないんです。唯一絶対正しいものではないという意識を持っているのといないのでは雲泥の差です。

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デメリットが起こる要因と対策

これは「失敗の標準化」という連載記事で詳細に述べてくれています。

私の記事はこれを否定するものではなく、むしろとても参考になると思っているのでぜひ読んでみてください。http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20091225/342674/

「失敗の標準化」では失敗する標準化の方法が挙げられていますが、その中から標準化のデメリットを抽出すると以下の２つになります。

(１)やる気の喪失

人はルールというものをとかく嫌う傾向があります。決められたことをただこなすだけというのは心理学的にも動機付けが低いことが知られています。担当者が標準化された仕事に対しての動機付け（＝やる気）を失うことは大きなデメリットとなります。

ただ、機械のようにずっと同じ動きをするのは人間には苦痛なんです。

(２)個人成長の機会の喪失

標準化されていないということは、自分で考えて仕事をしなければならないということです。逆に言えば、標準化が進んでいればいるほど、担当者個人は考えずにこなすようになります。思考停止状態では人間は成長できません。

そういう意味で、標準化は個人成長の機会を奪う危険性をもっています。

標準化の主なメリットは次の３つが挙げられます。

(１)ミスを防ぐ

業務の手順を標準化し、守るようにすることで、漏れなくダブりなく仕事をこなすことができます。

業務の中でやり直しや修正に費やす時間は辛い時間ですね。その辛い時間を減らせるというのは大きなメリットでしょう。

(２)時間、思考力の有効活用

同じ手順、同じフォーマットを使えばよいということは、時間短縮といちいち考える必要がないということです。結果、時間と思考力を温存し、使うべきところに使うことができます。

(３)仕事の非属人化

非属人化とは、「誰でもできるようにすること」です。Aさんがいないと仕事が回らないという状況はAさんにとっても組織にとっても困ります。Aさんにしかできないことを他の人にもできるようにすることで、双方にメリットが生じます。

標準化のメリット